ヘッドレスCMS(Headless CMS)のメリット

 
Update: 2023.04.25 | Sutrix Solutions Japan
 

近頃、CMSの中で最も注目されているのが、ヘッドレスCMS(Headless CMS)と呼ばれるシステムです。

従来のCMSは、フロントエンドとバックエンドが一つにまとまってしまっており、例えばバックエンドだけを改善したい場合にも全てに手を入れざるを得ず、コストや工期、手間がかかってしまうという欠点がありました。

ヘッドレスCMSは、フロントエンドとバックエンドを分離することで、製品の機能を損なうことなく、コンテンツを再利用したり、簡単に変更したりすることができます。また、API中心志向であることから、サードパーティアプリとの連携によるユーザー体験の向上も見込めます。

この記事では、企業や開発者にとってのヘッドレスCMSのメリットをご紹介します。

 

柔軟にカスタマイズ

ヘッドレスCMSの一番のメリットは、開発者がフロントエンドにおいてカスタムデザインを実現できることです。従来のCMSは、デザインに自由度がなく、テンプレートを選ぶことでしかデザインを変更できません。しかし、ヘッドレスCMSを使用することで、開発者はAPIを介して自分たちのプロジェクトに沿ったフレームワークやツールを選び、自由にデザインをカスタマイズすることができます。これにより、開発者はより魅力的で使いやすいWebサイトやアプリを作成することができるのです。

さらに、ヘッドレスCMSでは、マイクロサービスを利用することができます。マイクロサービスは、複数の小さなサービスを組み合わせてシステムを構築するアーキテクチャのことで、それぞれのサービスが独立して開発・デプロイされるため、柔軟なシステム構築が可能です。ヘッドレスCMSを使用することで、開発者は必要な機能をマイクロサービスとして実装し、それぞれのサービスを組み合わせることで、プロジェクトに最適なシステムを構築することができます。これらの機能を駆使すれば、たとえ大規模なプロジェクトであってもフレキシブルに対応することができるでしょう。

 

コンテンツを一元管理し複数チャンネルに展開

ヘッドレスCMSのもう一つの利点は、チャンネルごとに異なるコンテンツを動的に管理できることです。たとえば、Webサイトとモバイルアプリでは画面の表示方法が異なるため、それぞれに対応したコンテンツを提供する必要があります。ヘッドレスCMSは、APIの活用によってコンテンツを一元管理できるため、このように異なるチャンネルへのコンテンツ提供にも柔軟に対応することができます。

この機能により、企業はUX(ユーザーエクスペリエンス)を最適化し、顧客が求めるコンテンツをより迅速かつ正確に提供することができます。

また、コンテンツの品質や一貫性を維持することもでき、時間とコストの節約も実現します。

 

コンテンツをローカライズ

ヘッドレスCMSは、コンテンツのローカライズを容易にするための様々な機能を提供しています。

その一つが、多言語サポートの提供です。この機能を利用してコンテンツの翻訳を行うことで、企業は複数の言語で同じコンテンツを提供したり、言語ごとに異なるコンテンツを提供したりすることができます。

さらに、カスタムフィールド機能を使えば、地域に応じた料金や商品情報などといった、言語や地域によって異なるコンテンツを管理することが可能です。

また、コンテンツのプレビュー機能も提供しているため、ローカライズされたコンテンツが正しく表示されるかどうかを確認することもできます。

コンテンツをローカライズし、異なる言語や地域のユーザーに最適なコンテンツを提供することで、柔軟なユーザーエクスペリエンスを実現することができます。

 

サードパーティアプリと連携

ヘッドレスCMSの最大の特徴の一つが、APIを使用したサードパーティアプリとの接続です。これにより、ヘッドレスCMSが持つコンテンツを、外部のアプリからも利用できるようになります。

従来のCMSは、ファーストパーティのデータ制限により、CMS自体が持つデータしか利用することができません。しかし、ヘッドレスCMSを使用すれば、外部のデータも取り込むことができるようになり、より多様な情報を組み合わせることが可能になります。

例えば、ECサイトの場合、商品情報を外部のアプリから取り込むことができるため、商品情報が常に最新の状態に保たれ、企業はユーザーにより正確なサイトを提供することができます。

また、ヘッドレスCMSを使用することで、Webサイト、モバイルアプリ、スマートウォッチなど、複数のデバイスやプラットフォームで同じコンテンツを利用することも可能になりができます。これにより、より幅広いユーザーに対してコンテンツを提供することができます。

このように、サードパーティアプリとの連携機能を活用することで、企業はより使いやすく、便利なサービスを提供することができ、ユーザーの顧客体験向上を促進します。

 

ヘッドレスCMSは、チャンネルごとに異なるUI/UXを提供しながらも、ブランドとしての一貫性を維持することを可能にします。ただし、CMSの中にも、ヘッドレスでの利用に適しているものもあれば、技術的な制約があるものもあります。CMSの最適な活用には、設計思想に合わせた導入が必要です。

Sutrix Groupでは、お客様に最適なCMSを選定し、開発から活用までのサポートを提供しています。

お気軽にお問い合わせください。

 

 

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