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2022年1月18日(水)開催 あらためて見直すパートナー/サプライヤーポータルサイトの活用と最新事例

 

2023年1月18日(木)16時より、Sutrix Solutions Japanと日本ライフレイの共催セミナー「あらためて見直すパートナー/サプライヤーポータルサイトの活用と最新事例」を開催いたしました。

近年、B2B企業の多くはPRM(パートナーリレーションシップマネジメント)を強化するため、情報共有やコミュニケーションを効率化するツールとしてパートナー/サプライヤーポータルサイトを導入しています。しかし、その大半はマニュアル等の情報発信の場としてしか活用されておらず、残念ながらデジタルの特性を活かした取り組みはほとんどなされていません。

今回のWebセミナーでは、PRMの将来性と現状の課題、パートナー/サプライヤーポータルサイトを見直す3つの観点と、実際の活用事例について解説していきました。

 

PRMの将来性と現状の課題

 

<PRMとは?>

PRMとは、メーカー企業が小売業者や販売代理店などのビジネスパートナーと良好な関係を築くことで、自社製品・サービスの売上向上を目指す戦略や手法を指します。

製品やサービスの生産が中心のメーカー企業では、営業組織は小規模であることが多く、生産から販売までの全てを自社でまかなうことは困難です。
PRMでは、メーカー企業は営業・販売活動をパートナー企業に委託、つまりチャネルパートナーの構築を通じて、製品やサービスのリーチを広げることを目的としています。パートナー企業も、メーカーからの情報提供で商品の理解度を高めながら、営業活動の促進、売上の向上を目指します。

デジタルニーズやコロナ禍による変化で直接的なコミュニケーションが希薄になった昨今、企業がPRMを行うための手段としてパートナーポータルサイトは最重要と言っても過言ではありません。自社製品を正しく販売していただくためには、ポータルサイトを通じてパートナーに販売サポートやオンボーディング、トレーニングプログラムなどを提供する必要があるからです。

 

<PRMの将来性>

Gartner社が2020年に発表したレポートによると、2021年の目標達成のために顧客向けのデジタルビジネス施策を優先すると回答した企業は、全体の89%にも上ります。その中でも、カスタマー/パートナーポータルがもたらすデジタルエクスペリエンスには提供側、享受側の双方が大きな期待を寄せています。

また、Forrester社から発表されたレポートでは、2022年以降のB2Bマーケティングにとって最も重要な取り組みとして上記の5点が予測されています。その中でも、以下の3点は企業が押さえるべき必須事項と言えるでしょう。

  • PX(パートナーエクスペリエンス)の向上を最重要戦略と位置付ける
  • バイヤーのインサイトを把握し、顧客中心主義への軸足を組み込む
  • 新しい販売チャネル創出のために、KPI(重要業績評価指標)にソーシングを追加する

以上のことから、パートナーに対する取り組みは、B2Bマーケティングにおいてグローバル的にも非常に注目されていることがわかります。

さらに、IDCのレポートでも、企業は社外ポータルにユーザーのエクスペリエンス向上を求めているという結果が出ています。とりわけBtoBポータルにおいては、ポータルサイトのセルフサービス機能によって顧客維持率が85%も向上するといわれていることから、BtoBバイヤーからの期待値が特に高いことがわかっています。

このように、ポータルサイトの改善は人的な作業コストの削減が見込まれるだけでなく、顧客満足度の向上にも繋がっています。しかし、情報を掲載するだけの従来の活用の仕方では、顧客体験の向上は実現できません。

 

<現状の課題>

パートナーとの関係性が世界的に重要視される中、日本のパートナーポータルの利用状況はどうでしょうか。ユーザーからは、使いづらい、欲しい情報が見つけられない、見たい情報にたどり着けないなど、ネガティブな意見が多く挙げられています。前提となる情報や機能が不足していたり、情報提供の仕方がメーカー中心であったりすることから、ユーザーにとって有益なサイトであるとは言い難いのが日本のパートナーポータルサイトの現状です。

パートナー/サプライヤーポータルサイトの目的は、パートナーやサプライヤーの期待値を満たすことでエンゲージメントを向上させ、最終的に自社の製品を積極的に取り扱っていただくことにあります。

これらを実現するためには、パートナーエクスペリエンスへの考慮を最優先に、従来のポータルサイトの活用を見直さなくてはなりません。

 

パートナー/サプライヤーポータルサイトを見直す3つの観点

 

では、具体的に何を見直していけばいいのでしょうか。ここからは、大手IT企業であるA社の事例を参考にしながら、「コミュニケーション」「データ」「プラットフォーム」という3つのポイントをご説明いたします。

 

<コミュニケーション>

数万社以上のパートナーエコシステムを有するA社にとって、パートナーからのセールスは非常に大きな収益源です。パートナーに対する自社製品の理解促進や営業ツールの提供が収益に直結しているため、その効率化が常に課題として挙げられています。

この課題解決のために、A社はパートナー向けポータルサイトを中心として以下のような施策を実施しました。

①パートナーに対する支援内容を明確にする

パートナーに対し、市場機会とその支援体制を明確にすることで、価値のある事業であることを示します。

②コンテンツで自社の価値を高める

魅力的なコンテンツ作成のための情報提供を行うことで、自社の価値向上はもちろん、マーケティングへの流用やパートナー側の社員教育の支援にも繋がります。

③マーケティングサポートへのアクセスを提供

マーケティングのノウハウをメーカー側から提供することで、パートナーのスキルアップを支援し、リード数の増加を目指します。

④パートナーイネーブルメントを提供

顧客向けだけではなくパートナー向けのアセットも提供することで、パートナーがビジネス的に成長できる仕組みを用意します。

⑤チャネルマーケティングを自社マーケティングと連動させる

メーカーとパートナーの間で適切に情報共有が行われることで、共同でマーケティング活動を進めることができ、営業効果の向上が期待されます。

⑥効果的なガバナンスの枠組を導入する

企業とパートナーのルールを明確にし、定期的にコミュニケーションをとりながら業務を進めることで、パートナーが市場を飽和させないようにすると共に、ビジネス向上のための十分な努力を促します。

⑦インセンティブと資金を提供する

IT企業のインセンティブプログラムの一つとして、マーケティング開発資金を提供することで、パートナー活動のROI(投資利益率)の最大化を図ります。

このような取り組みによって、A社はパートナーの高確度なリード創出に貢献し、売上全体の80%以上をパートナーエコシステムから牽引することに成功しました。ポータルサイトを介して複合的にデジタルコミュニケーションを展開することは、PXの向上に非常に効果的であることを証明しています。

 

<データ>

パートナーポータルサイトを展開するということは、即ち膨大な情報を収集できるということです。ポータルサイト上のコードはすべてトラッキングが可能なため、メーカー側はこれらのデータを正確に取得・分析し、有効的な活用に繋げることが重要になります。

例えば、ある企業のパーソナライゼーションやレコメンドの成功パターンを分析し、同じ特性を持つ企業へ展開するなど、分析したデータを利用すればパートナーに対してより能率的なアクションを起こすことができます。

ポータル上でのユーザーの行動を複合的に分析することで、顧客の傾向や状況をキャッチアップしたり、パートナーのインサイトを把握し、よりパーソナライズされたコンテンツを提供したりすることができます。

このように、パートナーポータルサイトのデータを分析しながら、プログラム利用率、パートナー販売速度、パートナー再購買率などのKPIとの関連をウォッチし、企業としての取り組みを検討していくことで、PXを高めていくことが可能になります。

 

<プラットフォーム>

ポータルサイトを構築するテクノロジーにはそれぞれ長所と短所があり、ある一つのテクノロジーが飛び抜けて優れているということはありません。DX時代に向けて、企業にとって最適なパートナーポータルを構築するためには、最新テクノロジーの長所のみを組み合わせた「コンポーザブルデジタルエクスペリエンスプラットフォーム」が求められるでしょう。

Sutrixでは、これからのトレンドに対応できる最も有力なプラットフォームとして、Liferayをご提案しています。Liferayによって確立したプラットフォームは、データを利用した様々な施策をパートナーに展開することができ、競合に負けないパートナーエクスペリエンスの提供を実現します。

 

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