ビジネスにおけるECアプリのメリット
世界のデジタル化へ向けた動きは、ビジネスにおいても大きな影響をもたらしています。企業が加速するデジタル化についていくためには、もはやWebサイトの運用だけでは十分とは言えません。
かつてのECマーケティングは、Webサイトへのバナー掲載やメール配信、Facebookなどの広告を利用して顧客を引きつけることが一般的でしたが、現代ではモバイルアプリによる新たな関係構築の可能性が注目を集めています。
また、国内のスマホ普及率は非常に高く、同時にモバイルアプリからのEC利用率も年々増加しています。現代において企業がECアプリを導入することは、時代に即した取り組みであると言えるでしょう。
この記事では、ビジネスにおけるECアプリのメリットについてご紹介します。
ブランド認知度の向上
ECアプリ開発の大きなメリットの一つは、ブランドの可視性の向上です。これは、モバイルコマースの最大の利点と言っても過言ではありません。
多くの人々にとって、スマホは日常生活に欠かせない存在です。自宅でリラックスしている時や公共交通機関での移動時間、朝のコーヒーを淹れる待ち時間など、さまざまな状況で顧客はスマホを使用しています。その度に、ECアプリのロゴが目に入ればどうでしょうか。
目に入ったアプリをタップするだけで、顧客は簡単にブランドと繋がることができます。パソコンでWebサイトを開く手間なく、習慣や利便性からアプリを開く可能性が高くなり、商品購入機会の増幅やレビュー投稿数の向上が期待できます。
ただし、注意しなくてはならないのが、ECアプリの使いやすさです。顧客は多種多様なモバイルアプリを使用しているため、使い勝手の悪いアプリは開かれることがなくなり、やがてアンインストールされてしまいます。削除されずに使い続けてもらうために、企業は顧客に高品質なアプリ体験を提供することが重要です。
パーソナライズによる顧客体験の向上
現在の顧客は、モバイルやデスクトップを問わず、ブランドとの体験が個別にカスタマイズされることを期待しています。下記参照の調査によれば、91%の消費者が、自分に関連したオファーやおすすめ商品を提供してくれるブランドで買い物をする可能性が高いと回答しています。
参照:「Accenture|Personalization Pulse Check」
ECアプリのパーソナライズされたプッシュ通知は、顧客の好みや購買履歴に基づいて特典やオファーを提供することができます。顧客が興味を持ちやすい情報をピンポイントで提供することで、購買行動へとつながる可能性が高まります。特に限定的なセールや新着商品の通知は、購買率の向上に効果的です。
しかし、パーソナライズされたショッピング体験のためには、ECアプリに機能を組み込むだけでは不十分です。
魅力的な顧客体験を提供するためには、以下の顧客インサイトを深く理解することが重要です。
- 顧客の好み
- オンラインショッピングの傾向
- 購入までの意思決定にかかる時間
これらのインサイトを活用することで、顧客の傾向や購入履歴に基づいた商品の推奨、カート放棄を通知する個別メール、個別マーケティングキャンペーン、プッシュ通知など、顧客のショッピング体験をパーソナライズすることができます。
パーソナライズに基づいた一貫性のある顧客体験によって顧客との信頼関係を構築することで、リピート率を向上させることができるでしょう。
顧客のエンゲージメント向上
ECアプリが顧客のスマホと連携し、下記のような機能を利用できるようになることで、より高いエンゲージメントを獲得することが期待できます。
- GPSにより、ECアプリが顧客の現在の位置情報を取得します。顧客の住所にジオタグを追加する機能によって、配送詳細を手動で入力する手間を省けます。
- カメラにより、顧客が購入した商品の写真を撮影し、ECアプリを使って店舗のSNSアカウントに投稿できるようにします。これにより、顧客が購入前に商品の実物を確認することができ、売上の向上に貢献します。
- マイクの活用により、顧客は検索プロセスとして、口頭での表現が可能になります。
それ以外にも、機械学習、人工知能、AR&VRなどの新技術の力をECアプリと組み合わせることで、企業は顧客にとってより便利なショッピング体験を提供することができます。このような連携によって企業と顧客とのエンゲージメントが向上し、更なる売上に繋げることができるでしょう。
高いコンバージョン率
オンラインショッピングにおいて、顧客が重要視するのはスムーズな購入プロセスです。ECアプリは、ユーザーフレンドリーな性質と利便性により、顧客はわずかなクリックで購入を完了することができます。このシームレスな体験こそが、顧客を購買に促す大きな要因となっています。
ECアプリには、プッシュ通知、ウィッシュリスト、製品の絞り込みやソートなど、多数の機能が備わっています。また、顧客情報や支払い詳細を保存しておくことができるため、簡単にチェックアウトすることが可能です。このような機能により、ECアプリはスムーズな購入プロセスを実現しており、顧客にとってより便利な選択肢となっています。
また、ECアプリのコンバージョン率を高く保つためには、開発プロセスの段階でスプリットテストや本番でのテストを実施することを推奨します。事前に機能の正確性の確認やECアプリのUX (ユーザーエクスペリエンス)に関する懸念点を明らかにしておくことで、潜在的な顧客を失う前に問題を解決することができます。
便利な決済方法
決済方法において、ECアプリは容易なオンライン決済だけでなく、新たな利便性をも実現します。サードパーティの決済アプリ(例:Google PayやApple Pay)を利用すれば、顧客はボタンをタップするだけで支払いを行うことができます。
ECアプリは配送情報や支払いの詳細を保存できるため、初回登録さえ済んでいればワンクリックでチェックアウトまでのすべてを完了することができます。
また、ECアプリの中にはオフラインでも利用することができるものもあります。顧客はインターネット接続のない環境でも商品を閲覧、カートに追加することができ、インターネット接続が復旧した際に、そのままチェックアウトを完了することができます。
最後に
ECアプリの導入には初期投資こそ必要ではありますが、ユーザーフレンドリーなインターフェースやシームレスな操作性によるショッピング体験と、いつでもどこでもアクセスできる利便性によって、企業のビジネス成長に大きく貢献することは間違いありません。
その上で、デジタル化に振り落とされず競争力を高め続けるためには、消費者行動の変化や業界のトレンドに対応して継続的にパフォーマンスを改善することが鍵となります。
Sutrixでは、ECアプリの開発から運用、保守のサポートはもちろん、ビジネスニーズやトレンドに合わせたカスタマイズまで、企業の成功に貢献するお手伝いをいたします。
ECアプリの活用を検討される場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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